さてシリーズ 只見線の橋から つらつらと九回目。
今回は只見川橋梁に架かる橋以外のエトセトラ編 です。
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只見川橋梁の他にも色々と橋梁はありますので、そちらをご紹介します。
まずは滝谷川橋梁(滝谷-会津桧原間)

滝谷川橋梁(たきやがわきょうりょう)は、福島県河沼郡柳津町大沼郡三島町との境界の滝谷川に架かる東日本旅客鉄道(JR東日本)只見線鉄道橋である。

滝谷川橋梁

概要

国鉄会津線(現・只見線)の会津柳津駅 - 会津宮下駅間の延伸工事に伴って1939年昭和14年)に完成し、1941年(昭和16年)に供用開始した。滝谷駅 - 会津桧原駅間の阿賀野川水系只見川支流である滝谷川に架かる全長155.33 mの橋梁である。

滝谷川は深い峡谷であるため、本橋梁は懸吊式ケーブルエレクション工法にて架設されている。

構造

単線上路式RCラーメン1連 + 単線上路式ワーレントラス1連 + 単線上路式プレートガーダー3連の形式である。トラスは東京石川島造船所製である。

また、本橋梁は緩やかな曲線を描いており、支間長62.4 mのトラス桁には半径500 mのカーブでレールを施設し、プレートガーダーは角度を付けることにより架設している。

2021年令和3年)に17施設からなる「只見線鉄道施設群」の1つとして土木学会選奨土木遺産に認定された。

こちらは第2・3只見川橋梁などと、ほぼ同じ構造になっていて、
橋も長いので人気がある橋と言えるでしょう。
しかも滝谷川に架かる深い峡谷のような景観なので高い所を橋で渡るという乗っても撮ってもダイナミックな景色を楽しむことができます。





続いては・・・




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大谷川橋梁(おおたにがわきょうりょう)は、福島県大沼郡三島町大谷川に架かる東日本旅客鉄道(JR東日本)只見線鉄道橋である。

概要

国鉄会津線(現・只見線)の会津柳津駅 - 会津宮下駅間の延伸工事に伴って1939年昭和14年)に完成し、1941年(昭和16年)に供用開始した。会津西方駅 - 会津宮下駅間の阿賀野川水系只見川支流である大谷川に架かる全長82.14 mの橋梁である。

構造

単線開腹式上路1連RCアーチ橋の形式である。アーチ支間45 m、アーチライズ15 mであり、完成当時の日本国内では鉄道橋として最長支間のRCアーチ橋であった。

戦前に建造されているにも関わらず耐久性に優れており、RCアーチ橋として今も美しい曲線を見せている。

2021年令和3年)に17施設からなる「只見線鉄道施設群」の1つとして土木学会選奨土木遺産に認定された。


国道252号線の橋から只見線のアーチ橋が見えるのですが、国道252号線の橋もアーチ橋なので
これを全て見渡せるのポイントがあります。
それがココ

・県道237号 小栗山宮下線 宮下橋
・只見線の大谷川橋梁
・国道252号 新宮下橋
これら全てアーチ橋となっています。3つの橋が見えるので、こちらも人気があります。






続きまして・・・






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細越拱橋(ほそごえきょうきょう )(早戸-会津水沼間)
コンクリート製の8連アーチ橋「細越拱橋」(通称:めがね 橋 )です。
「きょう-きょう」とは”アーチ橋・メガネ橋”という日本名のようです。


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併走する国道252号線からが良く見えますが、少し曲線を描いているので乗り鉄で車窓からもメガネ橋が判ります。
このような模型で造りがちな仮想のような線形が実際にあるというだけでも面白いですね。
位置はこちら
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雨の雰囲気も良いです







続きまして・・・







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夏井川橋梁(なついがわきょうりょう)です。(会津川口-本名間)
あれ?!夏井川橋梁って磐越東線じゃないの?と思われる方は、ツウですね(^^;)
只見線にも「夏井川橋梁」があるのです。しかも同じ福島県です。
夏井川橋梁
場所は会津川口-本名間で本名駅手前に集落があるのですが、その谷間に架かる橋で、只見川へ流れている支流が「夏井川」と呼ばれています。
画像がか見て判るとおり、橋の下を会津地域独特の建物が存在します。これまた箱庭のような光景が展開されています。
第五只見川橋梁と第六只見川橋梁の間に夏井川橋梁が存在し、この地域は川に囲まれているのが判ります。
国道から離れているので静かな集落とも相まって、橋の味わいをゆっくり感じ取れます。






続きまして・・・・








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叶津川橋梁(かのうづがわきょうりょう)です。(会津蒲生-只見間)
福島県南会津郡只見町叶津川に架かる東日本旅客鉄道(JR東日本)只見線鉄道橋である。

概要

国鉄会津線(現・只見線)の会津川口駅 - 只見駅間の延伸工事に伴って1963年(昭和38年)に完成した。会津蒲生駅 - 只見駅間の阿賀野川水系只見川支流である叶津川に架かる全長372mの橋梁である。

もともとは田子倉ダムの建設のため、1957年(昭和32年)に会津川口から只見を経てダム建設現場までを電源開発株式会社の専用鉄道として敷設したときに本橋梁は完成している。

平成23年7月新潟・福島豪雨の影響

2011年(平成23年)7月の新潟・福島豪雨では、叶津川が増水・氾濫しているが、本橋梁には直接影響は無かった。なお、会津川口寄りの八木沢地区辺りでは一部路盤が崩落しており、会津蒲生駅に取り残された2両編成の列車は、只見駅まで移動することができず、風雨などを避けるために近場のスノーシェッド内に移動、1年ほど保管されていたが、運用車両確保のために、後ほどトレーラ陸送で郡山総合車両センターに回送、整備されている。

構造

プレートガーダー桁と鉄筋コンクリート桁との混成形式であり、半径250mの曲線を描いているのが特徴である。そのため、橋梁上では30km/hの速度制限がある。

  • 1 - 4連目:鉄筋コンクリートT桁
  • 5連目:単線上路式プレートガーダー
  • 6 - 11連目:鉄筋コンクリートT桁
  • 12 - 18連目:単線上路式プレートガーダー
  • 19 - 29連目:鉄筋コンクリートT桁
  • 30連目:単線下路式プレートガーダー

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ご覧の通りR250mの曲線が続きながら橋が構成されているので、こちらも車窓から橋を見ることができます。
冬期はこのように雪に埋もれてさらに美しい橋になります。
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秋の稲刈りも終えて冬支度間近な叶津の集落を過ぎる光景も、また良きかな(^^;)




まだまだ他にも只見川橋梁の他に特徴的な橋が存在しますが、その中でも代表的な橋をご紹介しました。
只見線が再び全通することで、これらの橋を全て乗って渡ることが出来るのは感慨深いです。
災害によって11年以上の不通区間が残った状態で、その間にも雪害や台風、細かな地震など発生し、よく復旧まで漕ぎ着けたと思います。

これからも只見川と共に只見線が穏やかに流れていくことを祈るばかりです。

全9回にわたる「シリーズ 只見線の橋から」はここで終わりとさせて頂きます。
ありがとうございます。ではまた~。