思い出の寝台列車シリーズ「北斗星」編 その2は食堂車「グランシャリオ」を中心としたお話。

前回のその1では「ロイヤル」の魅力をお送りしましたが、今回は寝台列車唯一の定期運転で食堂車の連結だった北斗星、その魅力をお送りします。
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「北斗星」は昭和63年3月13日青函トンネルが開業した際、上野-札幌間の直通列車に寝台列車が設定され運転開始しました。
上野発の寝台列車の中で「北斗星」は運転開始からの歴史が浅く、
それに付帯する臨時列車であった「エルム」や「夢空間北斗星」などを同じグループとすると最後の「ブルートレイン」と言えるでしょう。
「カシオペア」や「トワイライトエクスプレス」はちょっと置いておいて・・・(^^;)

歴史ある先輩格の「はくつる」「あけぼの」や東海道線系統のブルートレインと比べると新入りだった感がある「北斗星」は、
個室寝台や食堂車・ロビーカーとシャワールームなどを連結して、ただ寝台車両を繋いだだけの従来の列車とは違ったものでした。
そんな今までと同じような列車ではなく、時代とともに個室を多く設定して寝台列車も様々なニーズに対応していったことも垣間見られました。
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その中で、食堂車「グランシャリオ」では事前予約制ではありますがフランス料理や和風懐石料理などが提供され、予約時間終了後には予約無しで軽食や飲酒も出来るという、予約あり・なしの双方の良さを「北斗星」で満喫することが出来ました。

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開業当時は列車の中でタバコも吸えたり出来た時代・・・。

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「北斗星」で営業していた食堂車「グランシャリオ」のクルーさん達は、現在では辛うじて「カシオペアクルーズ」などで意匠を受け継ぎながら見ることができるでしょうか。
「北斗星」は定期列車ですので、定期的なシフトで上野と札幌を乗り通してディナーとモーニングをこなしていたわけで、その労力は計り知れないものでしょう・・・
運転士や車掌は上野から札幌まで乗り通さないですからね。

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フランス料理のコースでは列車内での雰囲気と相まって何とも贅沢な世界を味わうことが出来ました。

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初めて食堂車で食べたとき、上下左右に並ぶナイフとフォーク、どれを使っていけば良いのか分からず雰囲気に押されてしまった、あの頃・・・(´д`)

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最後のデザートは北海道の形をしたムースが高揚感を誘います。

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事前予約が取れなかった時は、フリーのパブタイムでハンバーグセットを食べて雰囲気に浸っておりました(^^;)
コースなどより、こちらの方が気分的にも金銭的にも楽でしたね。

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廃止の発表になる前などは、ただただ、コーヒーや紅茶だけを飲みに夜の車窓をぼーっと眺めていることもできました。

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北斗七星の「おおくま座」をフランス語で「グランシャリオ」という意味☆だそうで、食堂車のネーミングに使われていました。

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参考までに、こちら「トワイライトエクスプレス」の食堂車「ダイナープレヤデス」
大阪発着の列車だけに?派手に豪華に装飾されていますね。

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朝も洋定食か和定食か選べましたが、最終的には洋定食のみの提供となっていたようです。

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朝の雰囲気は夜の感じと変わりますね。

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こちら、和定食。開業当時とは違います。ワンプレート化されて色々と変化はありました。

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食堂車「グランシャリオ」から眺める、北海道区間(´д`)

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赤いランプシェードのJR北海道所属の車両も存在していたのですが、様々な経緯によりJR北海道所属車両の廃車が多くあり、食堂車が最終的に残ったのはJR東日本所属車両でした。

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こちら赤いランプシェードが特徴的なJR北海道所属車両の食堂車「グランシャリオ」。
「ロイヤル」も含め、JR北海道所属車両は赤を基調としたものが多かったです。
「トワイライトエクスプレス」の食堂車より、個人的には、これぐらいがちょうど良いのかもしれません(^^;)

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廃止間際では食堂車に並ぶ乗客の待ちスペースになっていたロビー室も普段は静かに北へ進む空間に。
開業当時では深夜にもかかわらず青函トンネルに入る瞬間に車掌さんからの案内・解説があって集まっていた事もありました。。。
いま、このような「食堂車」と言える車両が存在しないのは、個人的にはとても残念。。。
レストラン列車と呼ばれるものは多数ありますけど。。。なんか違う。
定期列車に「食堂車」があったのが素晴らしかったのですが(;_;)

いま思えば、「カシオペア」や「トワイライトエクスプレス」などがこれからの旅のスタイルとし、これを変えていくことで従来からの寝台列車の形を無くしていったのですかねぇ。。。

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こうして、様々な思いを乗せて朝を迎えながら北斗星は北へ向かうのです。

次回、「北斗星」編 その3もお楽しみに。