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ここは、東急車輌製造(株)
時は2002年の2月。終電間近の頃。
何やら、京急の車両が見えます。
新1000形(この頃)の第1編成、1001~編成が、今まさに竣工され京急へ引き渡される直前の姿です。

wikiより
京急1000形
京急1000形電車(けいきゅう1000がたでんしゃ)は、2002年(平成14年)4月15日に営業運転を開始した京浜急行電鉄の通勤形電車。
初代1000形と700形の置き換え用として、2100形の車体や主要機器をベースに設計され 、快適性の向上、環境への配慮、省エネルギー化、保守の低減などを目指している。
製造時期によって各種設計変更が行われており、6次車からは車体の材質や制御機器が変更される等、その内容は非常に多岐にわたることが特筆される。
1959年(昭和34年)登場の初代1000形と同時に営業運転を行っていた期間があり、区別のため本形式は「新1000形」と呼称されており、初代1000形が引退した現在でも「新1000形」と呼称されることが多い。

現在はJR東日本グループの「総合車両製作所・横浜事業所(本社)」となっていて、
東急グループからJR東日本グループへ事業譲渡されて引き続き私鉄各社の車両を製造しています。
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この当時の撮影はフィルムでしていました。
東急車輌からの出場前ということで、動かないモノの撮影でバルブ前提に低感度フィルムをチョイスし、かなりの長時間露光を掛けてRVP50を使用しています。なので、緑カブりが凄いです(^^;)

この時、東急車輌側では、この位置で撮影しても特段何も注意されることもなく、こちらも京急線の終車時間が終わるまで出場しないので三脚を立ててバルブ撮影をしていました。
現在は工場内撮影禁止の張り紙があり、カメラを向けただけでも守衛所からスピーカーで注意されるようです。
なので、現在この付近から撮影は不可のようで、総合車両製作所から出場→試運転(甲種輸送)は、
総合車両製作所から離れた公道から位置で行ったほうが良いと思われます。
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出場前に最後の入念な点検を行っている東急車輌製造の方々。
先に登場していた2100形の3ドアver.ということで、2ドア特急形より汎用性が高い無難な側面となっているので、600形と似たような形状です。
車号が現在の2100形と同様に貫通扉に付けられていますが、
2100形のときは登場当初はワイパーカバーに車号が専用の物が取り付けられていましたので
現在のように貫通扉に「01」と記されたのは2100形の3次車である2141~・2149~・2157~編成から。
この意匠に習ったのが新1000形となり、それ以前の2100形1・2次車も同様に変更されるという変化も。
2100形では01と2桁だった部分が新1000形では001と3桁になっているのは、当初から100両以上増やすという意味が込められていたのです(^^;)
ドア間の窓も真ん中に柱が入っているのも特徴で、さらに良く見ると車端部にはボックスシートが設定されているのが判ります。
2100形の車端部だけを採用したようです。ただ、2100形では座席が青系だったのが、この新1000形は赤系になっているのも見えました。

車内には引き受け側の京急社員も乗車して金沢八景駅から久里浜工場への回送に備えています。
回送の発車は京急線の終電が全て終わったあと東急車輌から出場しますので、午前1時過ぎになります。
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午前1時過ぎ・・・。京急線の終車が金沢文庫へ回送された頃、金沢八景駅へ向けていよいよ出場となります。
列番も99 試運転と表示されました。

東急車輌(現:総合車両製作所)から新車が出場する際には、必ず京急線・金沢八景駅4番線に入る線形になっていますので
甲種輸送を含む回送列車の運転では京急線の終車後に行われることが多いです。
ちなみに、京急の新車が出場するときには、自社の路線にそのまま入るので自走して入線、引き渡しとなります。
ですので、甲種輸送のように他の車両に牽引されることなく自走して出場するのも、京急の車両だけになります。
しかし、最近は乗り入れ先の京成(北総など)や都営の車両も新車落成時に自走して各者局へ回送されることもあります。

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ゆっくりと起動して、ドレミファ~と奏でながら自走回送していきました。
フィルムはRVPだというのに、果敢にも流し・・・。そりゃ惨敗です。

この時、気が付きませんでしたが、先に登場した2100形とのシーメンスVVVFの変調音と同じかと思っていたのですが、違う設定だったのですよね。
この新1000形の方がドレミファ~のあとも2回程度変調して「やかましい」ことになろうとは。。。(´。`)

このあとは、久里浜工場へ入場して2週間程度をかけて構内線で試運転、その後本線で試運転を行います。
次回は、本線試運転編です。